mobility02.jpg  交通エコロジー・モビリティ財団が駅や案内など交通空間でのバリアフリー化を目的に「コミュニケーション支援ボード」を作成しました。下記サイトよりダウンロード(PDF)ができます。使われているピクトグラムはコミュニケーション支援用絵記号(JIST0103)と案内用図記号(JISZ8210)および「迷子」など新規に作成されたものが数点、計40個ほどです。案内所に置けるB5リンクタイプや駅員さん、案内係、個人が持運べるA6タイプが用意されています。6穴のバイブルサイズもあれば良かったですね。ホームページからは「使い方」の説明ファイルもあり、いつ使うか、利用の際の基本姿勢、障害のある方への接し方など注意事項も盛り込んであります。

 ヨーロッパにおいて、言語の異なる国々を結ぶ交通機関の発達とともにサインとしてピクトグラムも発達してきたことは良く知られていますが、これは一方向のコミュニケーションサインです。交通エコロジー・モビリティ財団のこの取り組みは、個々の双方向型コミュニケーション援助という次のステップへ上ったことを窺わせます。様々な国々の人々、言語障害をもつ人々、多種多様な方々の最低限のコミュニケーションを補助、援助する手段として普及して行くことを期待します。


交通エコロジー・モビリティ財団HP:http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/comboard/comboard_top.html

manabi.jpg 都立港養護学校が学習環境作りに写真やピクトグラム・サインを利用しています。校長室や教室などをピクトグラムでサイン化、また写真も利用し、自閉症児のための「構造化」と言われる手法と連携させた教育が行われています。 

 自閉症、知的障害など発達障害のある子供達への視覚シンボルの有効性は実証されてきました。ちなみに写真をシンボルとして利用するには概念化の能力を必要とし、反対にピクトグラムのような絵のシンボルは概念化を支援します。校長室のサインとして写真を使うと貼り変えが必要ですが、ピクトグラムシンボルであれば不要かもしれません。さらに、コミュニケーションボードにも使えますのでサインとの相乗的な学習効果が期待できます。絵の視覚シンボルは多種あり、ピクトグラムシンボルもその一つですが、他と異なる利点の一つにサインと共用化が図れるということがあります。

 多くの養護学校が同様な手法を取っています。惜しむらくは、先生方によって利用する視覚シンボルが違うことです。スウェーデンではピクトグラムシンボル(PIC)の利用が国によって行われています。日本はここでも市場原理が働いているようです。UD(ユニバーサルデザイン)の思想からも言えることですが、社会全体でのサービスや効果という視点からは統一された方が良いと思われます。JISコミュニケーション絵記号はその第一歩です。

学びの場.com HP:

http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,8727,76,html

JISコミュニケーション支援絵記号のダウンロード(共用品推進機構)HP:

http://www.kyoyohin.org/06_accessible/060100_jis.php


 
バリアフリーやユニバーサル・デザインの取り組みの中で、市民が高齢者やお身体の不自由な方のことを理解して、心遣いや協力をすることを「心のバリアフリー」といいます(網走市社会福利協議会HPより)。市の社会福祉協議会では、講演やホームページを通じてこうした啓蒙活動を行っているようです。JIS絵記号を使ったコミュニケーションも紹介されています。目に見える建物や制度などのバリアとは違って、これからは、気付きにくいバリアについて知ってもらう活動が必要なことから生まれた活動でしょう。ここでもハードからソフトへの転換が求められていると言えます。

 絵記号を使ったコミュニケーションは回りの人が差し出して、本人に指差してもらうという「レストラン・メニュー方式」です。ちょっとした気遣いと待つことなどが求められます。そこで初めてコミュニケーションが成立し、他人(社会)との接点が生まれます。全国の社会福祉協議会に網走市のような啓蒙活動が伝播することを願います。

 

網走市社会福祉協議会HP:http://www6.ocn.ne.jp/~oconcolo/kokoro.html

 

hagi_city01.jpg 山口県萩市の総務部で発行する「しみん便利帳」(2008年版)でJIS絵記号が利用されています。広報課よりサンプルを送っていただきましたので紹介します。絵記号は目次のページと各ページのインデックスとして利用されています。例えば「病院#402003」シンボルは【救急担当医・防災・交通安全】の項目に対応、「赤ちゃん#101006」は【子育て・教育】という具合に、本来の語彙とは違ってイメージ的な利用がされています。

 主情報が文字主体の場合はピクトグラムは背景、また黒子として機能しますので、このように見出しに添える絵として全く違和感がありません。

 萩市の「べんり帳」は表紙もとてもシンプルですが、中身も構成やレイアウト、色での区分など、シンプルで大変分かりやすい内容になっています。例えばコラムなどの余計なものは載せてありません。電話帳などで情報が多すぎて肝心な情報を中々探し出せないということがありますが、この便利帳などUD的な作りと言えます。老若男女、障害ももつ人、他様々な人が利用する市民便利帳として見本のようです。

 

 

目次写真:http://pic-com.jp/hagi_city02.htm
資料提供:萩市役所 総務部広報課 池部公恵氏

 

 全国銀行協会が「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)」と「案内用図記号(JIS Z 8210)」に沿った窓口用のコミュニケーションボードを1月に公表しました。言語障害者、外国人等のためのソフト面のバリアーフリー化を促進するとしています。ひとつの業界での取り組みとしてはおそらく日本初の試みです。絵記号やピクトグラムが双方向のコミュニケーション手段として一般社会に認知されるための一歩であり、大変に意義ある取り組みと言えます。

 これが役立つためには、窓口で説明をする行員の方が、相手の表情を見て利用することが重要です。言語障害の方が一人で窓口に来ることは実際にはありません。しかし、援助者に話すだけでなく、ボードを手に持って指指し(ポインティング)しながら説明をすることが大切であり、それだけでも当事者は安心をするでしょう。そのような利用が望まれます。

 ボードは協会員以外でも申請によって利用が可能となっています。


全国銀行協会HP: http://www.zenginkyo.or.jp/news/2008/01/22160000.html
コミュニケーションボード:http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/csr/bar_free/cmark/index/cboard01.pdf
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/csr/bar_free/cmark/index/cboard02.pdf

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  2007年4月にオープンした重症心身児(者)施設です。「すくよか」は、800人程の重度に知的な障害をもつ人々が暮らす大阪金剛コロニー内に、特に日常的に医療ケアが必要な約100人の生活を支援する施設として作られました。既にコロニー内ではシンボルが案内表示用サインとして利用され、生活者と支援者のコミュニケーションに役立っています。今回は「スヌーズレン室」「心電図室」など計9点が、コロニーのAAC*研究班の協力で新たに制作されました。(*AAC:Agumentative and Alternative Communication=拡大・代替コミュニケーション)

 このような施設は、言語表示が利用しづらい人々が生活の主体であり、その人々に合わせたサイン掲示は当然とも言えますが、UD(Universal Design)の視点に立てば、街の施設においても同様の目線(弱者に合わせる)が望まれます。将来「言語の案内表示には必ずピクトグラムサインが伴う」というルールが社会一般に浸透したとき、コミュニケーションのハンディへの対応は車椅子ほどに肩を並べたと言えるかもしれません。 

 コミュニケーション弱者は外見からは明確でない場合が多く理解しづらいものです。その点はUD活動にもっと取り入れられて行くべき点のひとつかと考えます。

場所:重症心身児(者)施設「すくよか」(大阪市富田林市)
写真提供:大阪府障害者福祉事業団 大阪金剛コロニー AAC研究班 小林美津江氏


データ:http://pic-com.jp/images/konngoukoronii.pdf 重症心身児(者)施設「すくよか」案内サイン

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 国際こども図書館主催のイベント・シンポジウム「読書の楽しみをすべての子どもたちに」用に制作したピクトグラムを紹介します。HP、イベント会場でのサインやパンフ用に全部で20個余りを制作しました。展示会場には「指で触る絵本」「点字絵本」や「音声が出る本」など、障害をもつ人でも「読める」バリアフリー絵本を展示、それら展示の際のユニークなピクトグラムサインです。

 多くの絵本が並ぶ会場で、表紙や挿絵と違和感無く掲示できるサインとして、ピクトグラムの価値をここに見ることができます。けっして邪魔にならない絵であり、言葉に近い側面(記号性)が生かされている例です。




HP:http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2005-02.html
展示会場:http://www.mainichi.co.jp/universalon/report/2005/0706.html

ピクトグラムサイン:http://pic-com.jp/images/jbby_1.pdf
            http://pic-com.jp/images/jbby-2.pdf

データ:「読み聞かせ」(#503038:500文化・社会>503芸術・娯楽).aiデータ

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 福島県「地域づくり交流促進事業」で使われた「桜」(#403026:400家の外>403自然・植物)の道路案内での利用例(2007春)です。各々「不動桜」「紅枝垂地蔵桜」と記されていますが、地域で有名な桜かと思われます。

 案内を見ると、ピクトグラムと共に文字・ローマ字・矢印・距離を併記し、茶色のベースで道路標識と区別しつつ連ねて一枚として掲示されています。桜ピクトグラムは白地で図はピンク色にしてありますが、適切な変更例と言えます。地域の名所案内を兼ねた道しるべとしても機能し、分かりやすい案内と言えるのではないでしょうか。


場所:小野郡山線(郡山市中田町下枝地内、一般県道:谷田川三春線交差点)
写真提供:福島県北建設事務所

データ:#403026「桜」.aiデータ

 「ピクトグラムの利用と普及を考える会」は、言葉によらない案内サインとして有効な'ピクトグラムpictogram' の街中・施設、さらにはメディアや機器等での利用と普及を目的として活動する会として設立されました。とりわけ『コミュニケーション弱者(小児、外国人、言語障害児・者、高齢者など)』への支援という視点に立ち、ピクトグラムが一方向、双方向を問わずコミュニケーションの場で利用されることによって生活上の言語的、心理的ハンディキャップが補われることを目指します。

 これは、近年広まってきたユニバーサルデザイン(UD)の思想に基くものであり、身体障害者の物理的な障壁の除去(バリアフリー)に対して『コミュニケーション弱者』のための生活空間構築というユニバーサル・コミュニケーション(UC)化の実践と啓蒙のための活動です。

 本サイトでは、上記の主旨に賛同する団体および法人等であれば無償で利用できるピクトグラムデータもアップして行きます。(ピクトグラムのデザインはJISコミュニケーション支援用絵記号【JIS T:0103:2005】のデザイナーによる)

       

ピクトグラムの利用と普及を考える会 代表 林 文博