全国銀行協会が「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)」と「案内用図記号(JIS Z 8210)」に沿った窓口用のコミュニケーションボードを1月に公表しました。言語障害者、外国人等のためのソフト面のバリアーフリー化を促進するとしています。ひとつの業界での取り組みとしてはおそらく日本初の試みです。絵記号やピクトグラムが双方向のコミュニケーション手段として一般社会に認知されるための一歩であり、大変に意義ある取り組みと言えます。
これが役立つためには、窓口で説明をする行員の方が、相手の表情を見て利用することが重要です。言語障害の方が一人で窓口に来ることは実際にはありません。しかし、援助者に話すだけでなく、ボードを手に持って指指し(ポインティング)しながら説明をすることが大切であり、それだけでも当事者は安心をするでしょう。そのような利用が望まれます。
ボードは協会員以外でも申請によって利用が可能となっています。
全国銀行協会HP: http://www.zenginkyo.or.jp/news/2008/01/22160000.html
コミュニケーションボード:http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/csr/bar_free/cmark/index/cboard01.pdf
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/csr/bar_free/cmark/index/cboard02.pdf

2007年4月にオープンした重症心身児(者)施設です。「すくよか」は、800人程の重度に知的な障害をもつ人々が暮らす大阪金剛コロニー内に、特に日常的に医療ケアが必要な約100人の生活を支援する施設として作られました。既にコロニー内ではシンボルが案内表示用サインとして利用され、生活者と支援者のコミュニケーションに役立っています。今回は「スヌーズレン室」「心電図室」など計9点が、コロニーのAAC*研究班の協力で新たに制作されました。(*AAC:Agumentative and Alternative Communication=拡大・代替コミュニケーション)
このような施設は、言語表示が利用しづらい人々が生活の主体であり、その人々に合わせたサイン掲示は当然とも言えますが、UD(Universal Design)の視点に立てば、街の施設においても同様の目線(弱者に合わせる)が望まれます。将来「言語の案内表示には必ずピクトグラムサインが伴う」というルールが社会一般に浸透したとき、コミュニケーションのハンディへの対応は車椅子ほどに肩を並べたと言えるかもしれません。
コミュニケーション弱者は外見からは明確でない場合が多く理解しづらいものです。その点はUD活動にもっと取り入れられて行くべき点のひとつかと考えます。
場所:重症心身児(者)施設「すくよか」(大阪市富田林市)
写真提供:大阪府障害者福祉事業団 大阪金剛コロニー AAC研究班 小林美津江氏
データ:http://pic-com.jp/images/konngoukoronii.pdf 重症心身児(者)施設「すくよか」案内サイン

国際こども図書館主催のイベント・シンポジウム「読書の楽しみをすべての子どもたちに」用に制作したピクトグラムを紹介します。HP、イベント会場でのサインやパンフ用に全部で20個余りを制作しました。展示会場には「指で触る絵本」「点字絵本」や「音声が出る本」など、障害をもつ人でも「読める」バリアフリー絵本を展示、それら展示の際のユニークなピクトグラムサインです。
多くの絵本が並ぶ会場で、表紙や挿絵と違和感無く掲示できるサインとして、ピクトグラムの価値をここに見ることができます。けっして邪魔にならない絵であり、言葉に近い側面(記号性)が生かされている例です。
HP:http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2005-02.html
展示会場:http://www.mainichi.co.jp/universalon/report/2005/0706.html
ピクトグラムサイン:http://pic-com.jp/images/jbby_1.pdf
http://pic-com.jp/images/jbby-2.pdf
データ:「読み聞かせ」(#503038:500文化・社会>503芸術・娯楽).aiデータ

福島県「地域づくり交流促進事業」で使われた「桜」(#403026:400家の外>403自然・植物)の道路案内での利用例(2007春)です。各々「不動桜」「紅枝垂地蔵桜」と記されていますが、地域で有名な桜かと思われます。
案内を見ると、ピクトグラムと共に文字・ローマ字・矢印・距離を併記し、茶色のベースで道路標識と区別しつつ連ねて一枚として掲示されています。桜ピクトグラムは白地で図はピンク色にしてありますが、適切な変更例と言えます。地域の名所案内を兼ねた道しるべとしても機能し、分かりやすい案内と言えるのではないでしょうか。
場所:小野郡山線(郡山市中田町下枝地内、一般県道:谷田川三春線交差点)
写真提供:福島県北建設事務所
データ:#403026「桜」.aiデータ
「ピクトグラムの利用と普及を考える会」は、言葉によらない案内サインとして有効な'ピクトグラムpictogram' の街中・施設、さらにはメディアや機器等での利用と普及を目的として活動する会として設立されました。とりわけ『コミュニケーション弱者(小児、外国人、言語障害児・者、高齢者など)』への支援という視点に立ち、ピクトグラムが一方向、双方向を問わずコミュニケーションの場で利用されることによって生活上の言語的、心理的ハンディキャップが補われることを目指します。
これは、近年広まってきたユニバーサルデザイン(UD)の思想に基くものであり、身体障害者の物理的な障壁の除去(バリアフリー)に対して『コミュニケーション弱者』のための生活空間構築というユニバーサル・コミュニケーション(UC)化の実践と啓蒙のための活動です。
本サイトでは、上記の主旨に賛同する団体および法人等であれば無償で利用できるピクトグラムデータもアップして行きます。(ピクトグラムのデザインはJISコミュニケーション支援用絵記号【JIS T:0103:2005】のデザイナーによる)
